長方形の入れ子構造を用いた階層型データ視覚化手法の拡張

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メモ

層型データの視覚化手法で,「データ宝石箱」といわれる視覚化システムらしい.TreeMapとは異なるが似てなくもない視覚化手法である.IBMの展示会で見たことはあったが論文は初めてみた.非常に興味深い

データ視覚化システム「データ宝石箱」は以下のような要求を満たしている階層型データ視覚化手法であった.

  1. すべてのノードを同時に表示するため,互いに重ならないようにノードを配置する
  2. 画面空間を節約するために,ノードの配置領域となる長方形領域が,できるだけ小さい面積になるように,かつできるだけ正方形に近い形状になるようにノードを配置
  3. できるだけ高速に配置

しかし,データの意味やユーザの意図を反映した一意な画面配置はできなかった.つまり類似しているデータに対してまったく異なる視覚化結果をもたらしていたので,それを解決するために理想的な位置をあらかじめ用意し,それを視覚化システムに教示する「テンプレート」を用意した.これを使うことで

  1. ユーザのデザイン意図を反映した画面配置
  2. 座標軸に意味を持たせた画面配置
  3. 時系列に沿って微量ずつ変化するデータのシームレスな視覚化

が,可能になるらしい.大規模階層構造情報を視覚化した結果もあり,視覚化システムとしても非常に興味深い.「データ宝石箱」の論文も読んでみる必要がある.データ宝石箱の論文は画像電子学会論文誌 Visual Computing特集号 Vol.32, No.407, pp.407--417 (2003)である